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薬草園歳時記(21)枸杞の実 2022年8月


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 「枸杞(くこ)」とその傍題である「枸杞の芽」「枸杞摘む」「枸杞飯」「枸杞茶」は仲春、植物の季語である。枸杞は原野や路傍などに叢生するナス科の落葉低木で、春芽吹いたものを食用とする。新葉を炊き込みご飯にするほか、枸杞茶としても用いられる。樹高は1~2mくらいで、枝は蔓状で細く、棘がある。葉は長さ1~4センチの長めの楕円形で軟らかく、向かい合って生える対生である。柔らかい若葉は軽く茹でて、お浸し、和え物、汁の実に調理したり、サラダや料理のトッピングにも利用する。また山菜料理の食材にすることが多い。

枸杞青む日に日に利根のみなとかな  加藤楸邨

 「枸杞の実」は晩秋、植物の季語である。秋になると葉腋に真っ赤な実が熟す。それをドライフルーツにして料理に使ったり、枸杞酒を作ったりする。果実は楕円形をした液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、枸杞子(クコシ)と呼ばれ、生薬や枸杞酒、枸杞茶に用いられ、薬膳料理などにもよく使われる。

枸杞垣の赤き実に住む小家かな    村上鬼城
枸杞の実に誇り満ちたる回の村    富沢壽勇

枸杞の花(左)と枸杞の実(右) 薬草園提供

 一方「枸杞の花」は季語になっていない。クコの開花時期は7~10月で、葉の脇に花径は1cmくらいの紫色ないし淡い紫色の花を1~4個つける。花は茄子の花を小形にした姿である。花冠は鐘形で、先が5つに裂ける。萼片は5枚、雄蕊は5本、雌蕊は1本である。

 枸杞の学名は「Lycium chinense Miller」で、ナス科クコ属である。「chinense」は「中国の」、「Lycium」(リシウム)は、 中央アジアの Lycia という土地に生えていた刺の多い木「lycion」の名前に由来する。東アジア(中国~日本)原産の落葉低木である。日本では全域(北海道?本州?四国?九州?沖縄)に分布し、他に朝鮮半島、中国、台湾に分布する。平地にあり、山地には見られない。日当たりのよい原野、河川堤防、土手、海岸、市街地や農耕地帯の道ばたなどの藪に自生し、ある程度湿り気のある水辺の砂地を好む。庭などで栽培され、人の手が加わりやすく、高木が生えきれない環境によく育つ。

クコの名札(左)と薬草園のクコ(右) 薬草園提供

 日本では一時の漢方薬ブームで頻繁に採取されて数が少なくなった。国内栽培、生産はほとんど行われていない。クコの栽培は韓国が多く、沢山の栽培品種があり、土地の環境に適した品種がそれぞれある。日本では各地に自生はしているが、標準とする在来種はない。

 北アメリカなどにも移入され、分布を広げている。別名、ウルフベリー、ゴジベリーと呼ばれる。和名の「くこ」は、漢名の「枸杞」に由来する。中国の古書に「枸橘(カラタチ)のような刺があり、杞柳(コリヤナギ)のように枝がしなやかに伸びるので、枸杞と名付けられた」という記述がある。地方によっては、カラスナンバン、カワラホウズキ、ノナンバンなどと呼ばれている。英名のゴジベリーの名が逆輸入されて日本の園芸店でゴジベリーの名で流通するようになっている。

 中国の寧夏回族自治区に大規模な枸杞の実の産地がある。青海省から山西省にかけてナガバクコ(Lycium barbarum L.)が自生している。「barbarum」はギリシャ語で「他民族」、「移民」という意味になる。葉はクコと比べると、やや長細く、種子はクコと比べると小さくて少ない。寧夏、内蒙、甘粛、新疆などが産地になり、特に寧夏と言えばナガバクコ(Lycium barbarum L.)の栽培が有名である。また、クコ(Lycium chinense Miller)は河北、河南、陝西、四川,山西、江蘇などが産地になる。

 中国産はクコ(Lycium chinense Miller)とナガバクコ(Lycium barbarum L.)で、韓国産はクコ(Lycium chinense Miller)が枸杞の実(枸杞子(クコシ))の原料となるが、見た目や味で枸杞の実の産地や種類を見分けるのは難しい。

寧夏回族自治区の位置(赤い部分)と寧夏回族自治区の枸杞の畑と枸杞の実
新华网(m.news.cn.)による。

 私が初めて枸杞の実のふさふさとなっているのを間近に見たのも、寧夏回族自治区の宿舎の庭であった。現地の人たちの生活の場にはいつも枸杞の実が置いてあった。1981年、中国の歴史時代に発生した大規模地震の遺蹟を調査するために、私は寧夏回族自治区を訪れた。回族はイスラム教徒である。草原で育てられた羊の肉がとても香ばしくて美味しかった。その食事の後には枸杞の実や枸杞茶があった。

 1739年、寧夏回族自治区の首都である銀川付近で、マグニチュード8の大地震(寧夏、平羅地震、M8.0、死者5万人)が発生した。銀川は中国全土で唯一のマグニチュード8の大地震の震源地である。

大地震で縦にずれた万里の長城(左)と数回の地震で壊れた鳴沙塔(右) 尾池和夫撮影

寧夏回族自治区の羊が名物(左)と仏像(右) 尾池和夫撮影

 枸杞の実は杏仁豆腐やヨーグルトのトッピングに使われることが多い。薬膳として粥の具にもなる。有用植物で、葉や果実は食用、茶料、果実酒などになる。また、果実、根皮、葉は漢方薬に用いられる。枸杞の果実は枸杞子(クコシ)、根皮は地骨皮(ジコッピ)、葉は枸杞葉(クコヨウ)と呼ばれる生薬である。日本薬局方では枸杞子(クコシ)(乾燥した果実)と地骨皮(ジコッピ)(乾燥した根皮)の2品が医薬品として収載される。主要成分はアルカロイドのベタインである。

調製する前のクコの根(左) クコの葉は日干しにして使う(右) 薬草園提供

 葉には、ベタイン、ベータ?シトステロールグルコシド、ルチンなどが含まれ、毛細血管を丈夫にする作用がある。果実は酒に漬けこんで枸杞酒にする。採取部により、三者三様の生薬名があるが、強壮薬としての効用は同じで、組み合わせで利用されている。葉は6 - 8月頃、果実と根皮は秋に採取して、水洗いしたものを天日で乾燥させる。果実の乾燥には時間を要し、カビが発生すると品質が落ちるため、産地によっては低温の温風乾燥を併用する。根皮には、ベタイン、シトステソル、リノール酸などが含まれ、果実とともに滋養強壮の目的で漢方薬に配剤されている。掘り取ったばかりの根はゴボウの様な匂いがする。枸杞子(クコシ)を生産した古株の根を用いることがある。

 民間では、果実、根皮、葉それぞれ1日量5 – 10gmを600 ccの水で半量になるまで煎じ、3回に分けて服用する用法が知られている。果実は、食欲がなく下痢しやすい人には合わないことが多く、根皮、葉は冷え症の人に対して禁忌とされている。枸杞子は血圧や血糖の低下作用、抗脂肪肝作用などがある。精神が萎えているのを強壮する作用もあるとされている。また、視力減退、腰や膝がだるい症状の人、乾燥性のカラ咳にもよいといわれている。地骨皮は抗炎症作用、解熱作用、強壮、高血圧低下作用などがある。清心蓮子飲(せいしんれんしいん)、滋陰至宝湯(じいんしほうとう)などの漢方方剤に配合される。枸杞茶としても親しまれる。糖尿病で夜になると寝汗をかき、足の裏がほてる人によいともいわれている。枸杞葉は動脈硬化予防、血圧の低下作用などがある。

ナガバクコの果実(左)と枸杞子(クコシ)(右)

 枸杞の実を入れた八宝茶が私は好きである。中国に行くとよく注文する。長い注ぎ口の急須で大きなテーブルの向こう側からカップに注いでくれる。八宝茶(バーバオチャ、babaocha)は、中国全土で親しみのある伝統的な茶の一つである。さまざまな素材が詰まった中国茶で、茶葉の貴重な地域で、茶葉の代わりに果実や花を煎じて飲んでいた事をきっかけに、八宝茶が作られたといわれる。

 冠婚葬祭や来客のもてなしには欠かせない。体に良い具材から作られるため薬膳茶として振る舞われていた。家庭ごとにさまざまな作り方と飲み方がある。「八宝」は「たくさんの」という意味であり、8種類の材料を使っているというわけではない。ベースは緑茶で、菊または薔薇、赤棗、甘草、竜眼、枸杞の実、胡麻、葡萄、胡桃、林檎などが混ぜられる。氷砂糖で風味を補う。ドライフルーツによって戻る時間が異なるから蒸らす時間によって味が変化する。ドライフルーツが戻るのを見て楽しむため耐熱ガラス製のティーポットが使われる。八宝茶には身体を暖める食材が使われているため、血行促進、目の疲れの緩和、風邪予防など様々な効果が期待できる。

 一例として福建省出身の店主が経営する中国茶の専門店である「中国茶専門店RIMTAE(リムテー)」の八宝茶を楽しむ。この店の扱っている工芸茶には10種類があり、また多くの種類の茶葉がある。

RIMTAEの製品群

八宝茶の一例。ジャズミン茶、薔薇の花、枸杞の実、松の実、棗、竜眼、冬瓜、菊花が入っている。一袋で1リットルほど飲める。

 暑い季節には、八宝茶をしばらく冷蔵庫で冷やして楽しむのもよい。また、無農薬の保証のある枸杞の実を買って、一晩ヨーグルトに浸しておくと朝食の時に美味しい一品となる。枸杞の実をしばらく水に浸しておいて、さまざまな料理に利用することも多い。鶏肉の炊き込みご飯、スープのトッピング、炒め料理の彩りなど、沢山の応用例がある。さらに杏仁豆腐や寒天などに載せて食べることもできる。

寧夏回族自治区産の枸杞の実(もりひさ屋)とヨーグルトのトッピング

花茣蓙にオンザロックの八宝茶    和夫
枸杞の実を三粒載せたるヨーグルト
枸杞摘むや買物帰りの土手の脇

 今回も、薬草園の山本羊一氏に大変貴重な助言をたくさんいただいた。記して感謝します。

尾池和夫


●関連文献
尾池和夫:中国西北地区の活構造と地震遺跡(地学雑誌1989,口絵)(PDFファイル)【外部PDF】
尾池和夫:中国の地震予知(単著),NHKブックス, 1978
尾池和夫:アジアの変動帯(藤田和夫編,分担執筆),海文堂, 1984
尾池和夫:中国的地震預報,(原著:単著, 羅潔?薫振華訳),中国社会出版社, 2015

●参考ウェブサイト
薬学部の薬草園サイトはこちらからご覧ください。
https://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/~yakusou/Botany_home.htm

キャンパスの植物は、食品栄養科学部の下記のサイトでもお楽しみいただけます。
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/four_seasons/


●下記は、大学外のサイトです。

管理栄養士の川野恵さん監修による枸杞の実の詳しい解説がある。
https://kawashima-ya.jp/contents/?p=20330

静岡新聞「まんが静岡のDNA」の記事でも薬草園を紹介しました。
https://www.at-s.com/news/article/featured/culture_life/kenritsudai_column/742410.html?lbl=849

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